木工DIYの基本が詰まったスツール 実用性も高く初めてのDIYにおすすめ 後編

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

木工DIYの基本が詰まったスツールのを作り方を説明していきます。

前編は1~3までの以下の工程の説明でした。

1、部材の寸法切り

2、木材を着色する

3、組立用の墨線を引く

前編はこちらです

今回の後編記事では以下の工程を説明していきます。

4、ビスの下穴を開ける

5、部材の面取り ペーパー掛け

6、組み立て

7、オイル塗装

手順を動画でも確認したい場合はこちらをご覧ください。

4. ビスの下穴を開ける

下穴とはビスを打つ前に、ドリルであらかじめ開けておく穴の事です。

組み立てはビスを使って部材を固定しますが、木材に下穴なしでビスを打ち込むと木がそこから割れてしまう場合があります。

下穴を開けておく事でビスの入りがスムーズにもなり、無理な力がかからず接合時の部材のずれも起きにくくなります。

フリーハンドで垂直に穴を開けるのは少し難しいですが、コツとしては手前と横の2方向からドリルの垂直を目視で確認しながら、ゆっくり掘り進むと垂直に近い穴が開けやすくなります。

下穴はあまり大きく傾いて開けてしまうとビスが部材の横から突き出てしまう可能性がありますが、ある程度まっすぐに開いていれば問題ありません。

なお、今回のように複数個所の穴開けの場合は、同じ幅の角材の切れ端を使って穴開け用の簡易治具を作ると便利です。

これは短時間で比較的簡単に作れるのでおすすめです。

作り方をご紹介します。

簡易治具の作り方

足の部材を切った時に残った30㎜角の端材を使用します。

長さは150㎜程度あれば大丈夫です。

端材にビスの下穴位置を書き込み印を付けます。この時、裏側からも同じ位置に印を付けておきます。

印は側面端から8㎜と断面(木口)から15㎜。

垂直穴の位置決め

材の厚みの半分程度の深さを、木材の両側から開けていきます

まずは矢印の2方向からドリルの傾きを目視し、なるべく垂直になるように穴を開けます。

二方向から確認する

裏返して同じように穴を開け、貫通すればOKです。

裏側からも開ける

ビス下穴の位置決めと、垂直の穴開けを同時に補助する簡易治具が出来ました。

穴を開けただけなので使っているうち、いずれ穴が大きくなってはきますが、しばらくは問題無く使えます。

穴開け治具の完成

治具を墨線に合わせて〇印の接合部分すべてに下穴を開けていきましょう。

墨線に合わせて穴開け
ずれないようにしっかり押さえる
治具は足部材と同じ幅なので位置が決めやすい

穴開けの際は部材の下に「捨て板」を敷いておくと、ドリルが突き抜けた時の木材の欠けを防いでくれます。

ドリルの長さが足りずに1度で下まで届かない場合は、治具を外して再度開ければ問題ありません。

5. 部材の面取り~ペーパー掛け

部材の面取り(角を丸く削る)をすることで触ったときに角が当たらずソフトな仕上がりになります。

また着色をした場合は着色部分と削れた木の部分のコントラストが出て面白い雰囲気も出せます。

木目のコントラスト
木材の木目部分は色が定着しにくい為、ペーパー掛けでコントラストを出しやすい

角を落とすには、サンドペーパーを適当な端材に巻いて角を削っていきます。

削る多さは好みですが触っても角が痛く無ければOKです。

着色の剥がれの雰囲気
角の色が削れると仕上がりの雰囲気が面白い

角が取れたら部材の表面も毛羽立っている箇所があると思いますので、ペーペー掛けをしておきます。

6. 組み立て

組立て用の墨線に合わせて部材をビス止めしていきます。

組立て時の基本作業は以下のような流れになります。

①部材の接合面に木工用ボンドを塗ってから、クランプを使って部材同士を固定します。

接合面に接着剤を塗る
木口面はボンドをよく吸い込むので少し多めに塗る はみ出たボンドは濡れ雑巾等で拭く

端材を乗せてその上から部材同士を押さえると安定して作業がしやすいです。

クランプでの固定
部材と部材をまたぐように端材を置くと両方固定できる

②直角定規を使って部材同士が直角に付けてあるかを確認します。

直角が出ていない場合は部材を軽く叩いて修正しましょう。

③先に開けておいた下穴をガイドとして接合先の部材にも下穴を開けておくとズレにくいです。

下穴を深く開けすぎるとビスの効きが悪くなりますので、この時の下穴は少し浅めにしましょう。

組立ての下穴
木材の木口(年輪のある面)はビスが効きにくいので下穴が深くなりすぎないように注意

④その後ビス止め、という流れになります。

ここからは実際の組立て工程になります。

まずは足部材の1と1a、2の部材を接合場所の方向に注意して写真のように並べてビス止めします。

方向を確認して組む
直角に付いているかのチェックも忘れずにします

同じものを残った足部材でもう1セットつくります。

次に中央に墨線を引いた2本と2の部材(この1本は色を変えていますが任意です)をビス止めします。

貫部分の組立て
貫部分のパーツです

各パーツが出来上がりました。

各パーツの完成

各パーツを組立てていきます。

パーツを組んでいきます
座面枠の取付
足と貫の組立て
貫部材の取付

上下を入れ替えてビス止めします。

上下を変えて足と貫の組立て

上下を変えてビス止め
反対側の座面枠の取付

反対側は4か所を一度に止めていくので少し大変ですが落ち着いて進めましょう。

反対側の足の取付
しっかり木工用ボンドを塗っておきます

ひずみ等でぴたりと墨線に合わないとは思いますが、墨線に合わせるように寄せてクランプでしっかり固定してやれば問題ありません。順番に止めていきましょう。

反対は順番にビル止めする
まずは下側からビス止め
ビス止めはすき間のないようにする
上下を入れ替えてビス止めします

足枠が組めたら座面をビス止めしています。

ビスは板材の角からそれぞれ20㎜の位置に打ちます。

板割れ防止の為に必ず下穴を開けておきましょう。

取り付ける位置を確認し、クランプで固定してビス止めしていきます。

座面の位置確認

1枚ずつ順番に固定していきます。

順番に座板を止める

座面が固定される事で枠の強度も上がり、更にしっかりします。

座面のビス位置
ビス位置はそれぞれの角から20㎜内側

これで組立てが完了しました。

ここで平らな床にスツールを置いてみてガタつきがないか確認しておきましょう。

ガタつきがある場合は足裏にフェルトやゴムシートを張る事で調整が可能です。

7. オイル塗装

オイル塗装は木材の表面に油を塗る事で塗膜を作り、木材を保護する目的があります。

絵の具を使った着色ではそのまま使用した場合、色移りする事があるのでオイル塗装によって色移りもしにくくなるというメリットもあります。

また、植物オイル塗装は塗りやすく失敗しにくいのでおすすめです。

もう一つの大きな目的は見た目が良くなるという点です。

座面のオイル塗装
息を吹き込まれたように木目の表情が変わります

オイル塗装すると木材が濡れ色になり深い色味が出ます。

1度目はしっかり塗る

特に着色をした場合は、この濡れ色が発色の深みを出してくれ雰囲気がとてもよくなります。

使用するオイルは色々あるのですが、私は植物油を使います。

亜麻仁油や荏油など植物油を原料とした塗料がホームセンターなどで売られています。

塗り方は、適量を布に浸み込ませて木材の繊維方向(木目に沿って)に塗っていくだけです。

一度目は木がオイルをよく吸い込むので少し多めに塗って大丈夫です。

全体にしっかり塗っていきましょう。

塗りすぎてしまっても乾いた布で拭き上げると問題ありません。

2,3日後に再度同じようにオイルを塗って、その後は1週間ほどしっかり乾燥させれば完成です。

スルールの完成

初めて作る場合は上手く作れない事もあるかもしれません。

そんな時は各工程のポイントを再度確認して練習してみてください。

木工DIYのスキルが必ず付いて、上達していくと思います。

各工程のポイント

1、部材の寸法切り

・同じ長さに切る

・切り口を直角に切る

2、木材を着色する

・任意ですが先に着色してペーパー掛けする事で、コントラストが出て面白い風合いが出せる

3、組み立て用の墨線を引く

・勝手墨で部材の取り違えが無いようにする

・各部材の同じ位置に墨線を引く場合は、まとめて同時に線を引く

4、部材の面取り・ペーパー掛け

・木材を触った時に角が気にならない程度に丸く削る

・表面が毛羽立っている場合はペーパーを掛ける

・・着色した場合は色の明暗や木目を意識して削ると良い

5、組み立て

・接合面は木工用ボンドを塗る

・直角を確認し、クランプでしっかり固定してビス止めする

6、オイル塗装

・最低でも2回は塗る

・しっかり乾燥させる

スツールは構造がシンプルな為、製作工程が分かりやすい家具です。

そして実際に作ると、木工DIYの基本的なテクニックがほとんど使われている事に気が付きます。

スツール製作に使われている基本を覚えると、背もたれの付いたイス、テーブル、飾り棚などの他の家具でも応用が出来、作れる物がぐんと広がります。

そういった意味でも木工DIYをステップアップしていくのに、スツールから作ってみるのはおすすめです。

是非、挑戦してみてください。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*

CAPTCHA