始めに覚えたい木工DIYの基本が詰まったスツール
木工DIYで作りたいものが決まっていない場合、初めにおすすめしたいのがこのスツールです。
なぜかというと、スツールは木工DIYの基本作業のほとんどを覚える事ができるからです。
スツールで使うテクニックは難しいものでは無いのですが、覚えると様々な家具に応用ができます。
楽しみながら作って基本スキルも多く学べるスツール作りに挑戦しましょう!
そんなスツールですがどういった家具かというと、背もたれのない簡易的なイスです。
コンパクトな為に移動や収納がしやすく狭い場所での使用にも向いています。
背もたれがない為どの方向からでも座れ、立ったり座ったりの動作が多い作業台のイスや料理の際の休憩イスなどに重宝します。
イスとしてだけでなくサイドテーブルや荷物置きにも使え、非常に実用性の高いのもおススメの理由のひとつです。
構造がシンプルで使う部材もそれほど多くないので、手順とコツを押さえて作れば大丈夫。
ゆっくり作っていきましょう。
図面と作り方の説明書はこちらからダウンロード出来ます
↓↓↓
動画で確認すると分かりやすい工程もありますので合わせてご覧ください
必要な道具
- ノコギリ
- メジャー
- 電動ドリルドライバー(プラスビット・下穴ドリルビット)
- 直角定規(スコヤ)
- クランプ
- サンドペーパー(240番)
- 木工用ボンド
- 足底用フェルト
材料
- 30㎜角材 長390㎜×4本 長さ240㎜×7本
- 野地板 厚み12㎜ 幅105㎜ 長さ310㎜ ×3枚
- 木材用ビス(足接合部分用 55㎜・座面用 30㎜)
- 植物オイル
- 絵の具(着色する場合)
1, 部材の寸法切り
まずは材料を必要な寸法に切っていきます。
実はこの部材のカットがDIY工程の中でも特に重要な工程になります。
家具作りでは同じ長さの部材がセットとして作られている場合がほとんどです。
例えば脚の長さ4本が同じ、といった具合です。
その為、同じ長さに部材を切る事と、切った断面の直角の精度が大事になります。
長さが違ったり断面が大きく斜めになっていたりすると、後の組み立ての時にゆがみやひずみが出てしまい、ガタついたり仕上がりの強度が悪くなったりします。
そうならない為に、同じ寸法に切る事と直角に切るという基本のテクニックを説明していきます。
コツと手順を踏んでいけば、そんなに難しく無いので大丈夫です。
必要な長さに切る際には、切る寸法位置に目印となる線を引きます。
この目印になる線を墨線と言います。
墨線を引く時は先を細く削った鉛筆を使う事で正確に印や線を引きやすくなります。
必要な長さに印を付け、直角定規を使って印の上にずれないよう墨線を引きます。
墨線の引き方は「木工DIYの基本テクニック 墨線を引く」でも詳しく解説しています。
墨線が引けたら次は角材を切る作業です。
角材を切る時はなるべく直角になるように切っていく事が大切です。
フリーハンドで直角に切るのは非常に難しいですが、市販のノコギリガイドを使えばある程度直角に切ることが出来ます。
完璧な直角でなくても、ある程度の直角が出ていれば強度に大きな問題は出ません。
100円ショップにもノコギリガイドが売ってますのでそちらを使っても大丈夫です。
また、直角切り治具は自作も可能です。
作るのが少し手間ではありますが、同じ寸法の物をたくさん作る時に効率良く切る事が出来ます。
(ここでの治具とは作業をする際の補助道具を言います。この他にも安全を確保する為の治具などもあります。)
始めに説明した「同じ寸法に切る」と「直角に切る」を補助してくれる強い味方になるのでおすすめです。
直角切り治具の作り方はこちらの動画でも確認できます
今回の部材カットには自作の直角切り治具を使って切りました。
治具を使って同じ長さの部材を切る時、ストッパーを設置する事で墨線は基準となる初めの1本のみでOKです。
あとはストッパーに合わせて切るだけで同じ長さの部材に切る事が出来きます。
次に座面用の野地板も必要な長さに切ります。
ここでは墨線に合わせてフリーハンドで切ります。ゆっくり落ち着いて切りましょう。
両刃ノコギリの横切り用を使って切ります。
次に野地板の幅が大きい場合は3枚のうち1枚を縦方向にカットして調整します。
座面の横幅は3枚合わせて310㎜ほしいので、2枚が105㎜なら1枚を100㎜にカットします。
座面幅の寸法は入手できる木材の寸法に合わせて調整してください。
両刃ノコギリでは縦引き用を使う事で効率的に切る事ができます。
墨線に合わせてゆっくり切り進みましょう。
墨線を少し残すくらいのイメージで奥から手前へと切っていきましょう。
切り口を真っ直ぐ直線に切るのは少し難しいと思いますので、切り終わったら確認して必要ならサンドペーパーで修正しておきます。
サンドペーパーを平面の上に置き、板材を直角に立てて前後に動かして削ります。
墨線からはみ出した部分を削るようにしましょう。
座面の外側に使う2枚は先に角を丸くしておきます。
どれくらい丸くするかは好みですが、ペットボトルのフタやトイレットペーパーの芯なども定規代わりに使えます。もちろんコンパスを使ってもOKです。
角に丸く引いた墨線に沿って大まかにノコギリで余分な部分を切ってから、サンドペーパーを使って丸く仕上げます。
2, 木材を着色する
お好みで着色をします。
ナチュラルな木の色そのままが良い場合はこの工程は飛ばしてください。
私は水性の絵の具を好んで使用しています。
においも少なく気軽に使える事と、仕上がりが何とも素朴で気に入っています。
着色は最後にしてもいいのですが先に塗ってからサンドペーパーを掛ける事で、木目での色の明暗や角の色の剥がれた感じが出せて面白いです。
感性のまま塗っていくのも子供に戻ったようで楽しいですが、無難に仕上げたい場合は1,2色で塗ると大きく「失敗した!」という事にはならなりにくいかと思います。
変な色でもそれもまた愛着が沸くものです。楽しく塗りましょう。
塗り終えたら乾くまで待ちます。
3, 組み立て用の墨線を引く
着色が乾燥したら、組み立ての際に部材同士のどの部分を接合するかが分かるように墨線を引きます。
1本ずつ墨線を引いていくと寸法間違いや位置のばらつきが出ますし、何より大変です。
下の写真のように順番にまとめて墨線を引いていくと、墨線引きは7回で終わりますので寸法間違えやばらつきも出にくくなります。
まずは足から墨線を引いていきますが、初めにペアとなる木材同士が分かるように番号を決めておきます。1と1aが組み立て時ペアとなります。
部材の端を揃えてから4本をまとめて、端から30㎜に墨線を引きます。
必ず木材の端が揃っているかが重要です。
そして線を引く際は部材同士がずれないように木材を手ではさみ込みながら引きましょう。
端から60㎜に線を引きます。先に引いた30㎜線との間の〇印部分が組立て時の接合部分となります。
墨線が2本並んでいる場合は接合部分の間違いが起きないように部材に〇印を直接書いておきます。
部材の番号やこういった印は「勝手墨」といいます。
自分が分かるように記入しておくと作業時の間違いが起きにくく非常に便利です。
次に1aは奥へ90度、1は手前へ90度倒します。
端から30㎜に線を引く。
線が引きやすいように左右を反転させます。
端から100㎜に線を引きます。
端から130mmに線を引きます。
次に240㎜部材、7本のうち2本の中央に30㎜幅の墨線を引きます。
まず木材の中心に目印を付けて、そこから左右15㎜に線を引く事で30㎜幅を作ります。
以上で組立て用の墨線が引けました。
前編はここまでです。お疲れさまでした!
後編に続きます。