家具DIYの必需品 インパクトドライバーの意外と知らない危険性

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家具DIYにとって無くてはならない道具の一つといえばインパクトドライバーです。
当ブログでは電動工具は必要最小限しか紹介していませんが、木工DIYを楽しむ上でインパクトドライバーは外せない工具です。

ビスを打ち込んだり簡易な穴を開ける時に重宝するシンプルな電動工具で、特にビス打ちは打撃の力で楽に行えるので、インパクトドライバーを使うと製作時の負担がかなり減ります。

便利な工具ではありますが、特に専門の知識がなくても使えるだけに注意点や危険性にいてはあまり知られていない場合が多いです。

今回の記事では怪我をしない為に、知っておいてほしい以下の2つの注意点について説明していきます。

  • ネジを打ち込んでいるときにビットがネジ頭から外れて、部材を支えている手を突いてしまう。
  • 穴あけ時、ドリルの木材への食い込みによって部材が回転し体にあたる。

合わせてビットなどで部材がへこんだ場合の修復方法と、部材を守る治具も紹介いたします。

ネジの頭からビットが外れてしまう

インパクトドライバーで一番起こりやすい怪我は、ビスを打ち込んでいる時に発生します。

画像では部材を押さえる手がビス打の近くにありますが、この時にビットがビスの頭から外れてしまい勢いの付いたビットで手を突いてしまうのです。

正常にビスを打ち込む場合はビットが外れずに最後まで入るのですが、ビスに対してビットが真っ直ぐに保持さえていない場合、外れてしまいます。
(下穴を開けずにビスをそのまま打ち込む場合も、負荷が掛かって外れやすいので下穴は開けておきましょう)

この場合の対処法としては、まずはビスの頭とプラスビットのサイズが合っているかを確認すること。
家具DIYで使用するメインのビスは、2番というプラスビットのサイズで対応できますが、それより小さいサイズの1番も、小さいネジで使うことがあります。

左が2番   右が1番


ネジの大きさとビットサイズが合っているかをまずは確認しましょう。

また、同じ2番のビットであっても先の形状が微妙に違う場合や、使用するビスの種類によってフィットしにくいこともあります。


しっかりとフィットするビットを使うことで打ち込み時に外れにくくなるので、使いやすいビットを数本持っておいてビスによって選択すると確実です。

次に、ビットの進行方向に手を置かないようにする事です。

実際に怪我をするまで気付かずに、ビス付近を手で押さえていることが多いです。
手はビスから離れた場所で部材を押さえるか、もしくは作業台にクランプで固定することが重要です。

手を近くに置かない


クランプでの固定はひと手間が必要ですが、両手でインパクトドライバーを保持できる事と部材のブレがなく安定して加工が出来るので一番いい方法です。

打つときのポイントとしては、ビスとビットが直線上になるようにインパクトドライバーを保持する事でビットがズレにくくなります。まっすぐ打てているかを意識しながら使うことも大切です。

治具で部材を傷から守る

ビス打ちのときに怪我をしない為の説明をしましたが、手に当たらなくても「ネジ頭から外れたビットの先が部材に当たって傷を付ける」という事がよく発生します。

これを防止するには最後まで真っすぐビスを打ち込めるようになる事や、インパクトドライバーを押し付ける力を加減することも大切です。
しかし初めのうちはそれが出来ないから外れてしまう訳なので、ここで初心者におすすめの治具を紹介します。

5mm厚の端材で製作した 合板でもOK

適当な板の幅中央に、使用するビス頭より少し大きめの穴を開けておきます。

治具の使い方は非常にシンプル。

まずビスを打つ位置に治具の穴を合わせて置きます。

後は通常と同じようにビスを打ち込みます。

ビスを少し打ってから治具をかぶせるようにセットしてもいい

もしビットが外れてそのまま部材を突いたとしても、治具があることで部材を守ってくれます。

毎回治具をセットするのは少々面倒ですが、絶対に傷を付けられない場所やビス止めしにくい場所で、打ち損じをしそうな場合のみ使用するのでもいいと思います。

へこみの修復方法

治具を使えば部材に傷が付く可能性は少なくなりますが、家具の製作時には金づちで叩いたり動かす時にどこかにぶつけたりと、へこみを付けてしまう事がよくあります。

そんな時に修復する方法を覚えておくと便利です。
どんなへこみや傷でも元通りになる訳ではないですが、場合によってはほとんど分からない状態に戻せることもあります。

やり方は非常に簡単です。

へこんだ場所に濡れたティッシュを貼り付けるだけ。
後はそのままで数時間放置します。

水をしっかり含ませて貼り付ける

下の画像は試しにへこみと傷を付けています。

修復前  左-金づち  中-プラスビット(浅) 右-プラスビット(深)

1時間後が下の画像の状態です。

水分を含むことで、へこみ部分がいくぶんか修復されています。

乾いた後は表面が毛羽立つのでサンドペーパーを掛けておきましょう。
ペーパー掛けをすることで更に目立ちにくくなります。

注意点は、この方法で修復できるのは木材の繊維が断裂していない場合に限ります。
要は割れや穴が開いている部分はもとには戻りません。
しかし、「へこみ」と「繊維の断裂」両方の場合は多く、やってみるとよくなることがあるので試してみてください。

木工DIYは失敗が付き物です。
家具製作のプロでもパーフェクトに仕上がるなんてことは、まずありません。
こういった小技を駆使して完成させていくのも重要なんです。

ドリルの木材への食い込みによって部材が回転

もうひとつの注意点は穴あけの時についてです。

インパクトドライバーで木材に穴を開ける事は出来ますが、あまり大きな穴を開けることは得意ではありません。
穴開けにはドリルの回転が速い方が有利なんですが、インパクトドライバーはビス打ちに特化した工具。
大きな穴を開けようとすると回転方向の打撃が発生して効率よく穴を開けることができません。

このように大きな穴を開けていてドリルビットが木材に食い込んだ場合、反動で木材が動く事があります。

不意に勢いよく動いた部材で押さえていた手を痛めたり、回転した部材に当たって怪我をする危険性があります。

ドリルがロックして矢印の方向に部材が動く

特に小さな部材を手で押さえていた場合、強く保持できずに簡単に部材が回転します。

私も最初は危険性を知らずに、手首を痛めたり部材の角で怪我をしたことがあります。

このような場合の対処法としても、部材をクランプでしっかり固定することが重要です。
クランプで押さえておけばドリルビットが木材に食い込んでも、部材が動くことはありません。

また、インパクトドライバーでの穴開けは、径10ミリ程度までに抑える方が無難です。
径が大きくなるほど負荷も大きくなり、穴が開けにくくなります。

木材の固さや穴の深さも負荷に影響しますので、インパクトドライバーにかかる負荷を確認しながら無理のないように注意して穴を開けるようにしましょう。

大きな穴を開けたい場合は、穴の大きさによって回転速度が調整でる「電動ドリル」や「ドリルドライバー」が向いています。またパワーの強い機種を選ぶようにしましょう。

まとめ

今回はインパクトドライバーで怪我をしないための注意点について説明しました。

ビス打ちと穴あけの時の注意点がありましたが、どちらも共通して言える重要な事は、部材を作業台にクランプでしっかり固定するということでした。

家具DIYにおいて怪我をしないポイントは、危険な場所から手や体を少しでも離すことです。
この当たり前のことができるように工夫する、これ重要です。

その為には手の代わりにクランプを使ったり、プラスビットや刃物の進行方向に手や体を置かない、といったことを意識するようにしてください。

木工DIYを楽しむには怪我をしないことが大前提としてあります。
電動工具メーカーは商品の危険性についてはあまり積極的には言いにくいところもあり、ユーザーが危険性を知らずに使っている場合がけっこうあります。そのため、事前に何が危険なのかを知っておくことが重要です。

今後も安全面に関係する情報や安全治具など紹介できればと思います。
最後まで記事にお付き合い頂き、ありがとうございました。


木工や家具に関する質問や相談がありましたらお問合せフォームからお気軽にお問合せください。


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